2024年11月6日(水)  不妊治療全般

排卵誘発剤の費用 日本平均とは?

「排卵誘発剤」は、卵子が卵巣から排出されるのを助ける薬である。内服薬と注射の二種類があり、不妊治療の際に必要に応じて使われる。

また、睾丸に作用して精子の状態を良くする働きもあるので男性不妊の治療薬としても使われるが、本来は女性用の薬なので男性が使う場合は保険が適用されない。

不妊治療成功者の症例
イースタティックミネラルES-27により卵子・精子のミトコンドリアの質を改善

保険適用時の費用

保険が適用された場合の費用は

● 内服薬:1ヶ月分で500円
● 注射:1回あたり1,000~1,500円

が相場だ。

ただ、1ヶ月に処方できる量には限度があるため、それを超えて処方される場合には患者さんが実費で支払うことになる。

たとえば、排卵誘発剤を使って体外受精を行ったが受精には至らず、同じ月に再度使用する場合は実費となる。この場合、治療目的というよりは排卵の回数を増やすことが目的となるため、健康保険の対象にならないのである。

排卵誘発剤の種類

排卵誘発剤には、次のような種類がある。

内服薬

● クロミッド:最もポピュラーな薬。脳下垂体を刺激して、FSHやLHの分泌を促す。
● セキソビット:作用が軽いので、排卵の補助として使われる薬。副作用の心配はほとんどなく、おだやかな効き目である。

注射

● フェルテノームP:純度の高いFSHを抽出して作られる薬。比較的副作用は少ない。
● HMG:多くの卵胞を発育させたい場合に使う。OHSSが起こる可能性があるので注意。
● HCG:排卵誘発と、黄体ホルモンの補充のために使われる。

それぞれ効果や副作用の度合いが違うので、医師は患者さんの体の調子を慎重に見極めながらどの薬を投与するかを決定する。

特に、卵巣が膨れ上がって腹水や胸水を引き起こし、重症化すると腎不全や血栓症などの合併症が起こる可能性のあるOHSSはよくありがちな副作用だ。

そのため、腹部の膨満感・吐き気・急激な体重の増加・尿量の減少などの不調を感じたら早めに医師に相談することが大切である。

質の良い卵子を育てるには

排卵誘発剤によって排卵させて妊娠確率をあげることは、妊娠・出産において大切なことだ。しかし、それだけでは「質の良い卵子を育てる」ことに繋げるには役不足だ。

根本的な部分である「卵子の質の向上=妊娠力のアップ」が最も重要なのだ。そのためには、規則正しい生活が欠かせない。

生活習慣・食事などの改善

夜更かしや添加物だらけの食事、運動不足、喫煙、アルコール、ストレスが当たり前になっている人は、少しずつ生活を変えていこう。

寝る時間を一時間早めたり、自炊の回数を週に1、2回増やしたりするだけでも効果はある。

卵子の質の向上

卵子にはその機能を十分に発揮させるための細胞器官が備わっている。それは「ミトコンドリア」と呼ばれるエネルギー製造装置のような器官だ。

しかし、このミトコンドリアは体に良くない生活を続けていると徐々にその数は減少し、必要なエネルギーを作り出すことができなくなってしまう。

そして、卵子の妊娠するための機能が正常に働かなくなるのだ。

ミトコンドリアの活性化

卵子の妊娠するための機能を正常に保つには、エネルギー製造装置の役割を担っている「ミトコンドリア」を元気にさせることが一番の近道だ。

方法としては、早寝早起きなどの規則正しい生活、栄養バランスのとれた食事、適度な運動などがあげられる。
不妊治療の効果をより高めるために、日頃の生活を整え、ミトコンドリアを増やす体づくりを意識していきましょう。

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