2024年11月21日(木) 【不妊治療全般】
不妊治療の流れと種類とは
一般的に、特に避妊せず1年以上妊娠できない場合が「不妊」と言われている。
不妊治療にはどのような種類があり、どのように進められるのだろうか。
不妊治療の種類
治療方法は不妊の原因によっても異なるが、タイミング法という治療から行われ、徐々に治療内容をステップアップしていくのが一般的だ。
【第1段階】一般不妊治療
・タイミング法
妊娠しやすいと言われる排卵日の2日前から排卵日までに性交のタイミングを合わせる方法。健康保険が適用されるので費用が数千円で済む場合も多い。
・人工授精(AIH)
採取した精液中から動きのよい精子を取り出して濃縮し、妊娠しやすいタイミングで子宮内に直接注入する方法。妊娠までのプロセスは自然妊娠と同じ。
なお、一般不妊治療には、排卵誘発薬などの薬物療法、子宮内膜症などに対する外科療法も含まれる。
【第2段階】高度生殖医療(ART)
卵巣から卵子を採卵し、体外で精子と受精させて数日後に受精卵を子宮に戻す胚移植。受精の方法は以下の2つとなる。
・体外受精(IVF)
卵子と精子を同じ培養液の中で培養して受精させ、得られた受精卵を子宮に戻す方法。
・顕微授精(ICSI)
動きがよく形の正常な1個の精子を卵子の中に細い針で注入する方法。様々な理由で体外受精では受精が起こらない可能性が高い場合に実施される。
妊娠確率を高めるには卵子や精子の「質」が重要
不妊治療での妊娠の確率を高めるには、卵子と精子が健康であることが非常に重要だ。
卵子や精子は、生活環境の乱れや加齢などが原因で「質」が低下すると言われている。
卵子や精子の質の改善には、規則正しい生活のほか、卵子と精子へエネルギーを与える必要がある。そのエネルギーは、ミトコンドリアと呼ばれる細胞小器官によって産生されている。
ミトコンドリアは、私たちの細胞を動かすためのエネルギーを生産・配給するという役割を持っており、特に生殖細胞である卵子と精子に多く存在していることがわかっている。
そのため、卵子や精子を活性化するエネルギー源となる、ミトコンドリアの数を増やすことが大切である。