2018年4月26日(木) 【不妊症、不妊治療の最新情報】
着床率を高め妊娠する方法〜着床までの流れを知る〜
男性の精液が女性の膣内に送り込まれる際、健康な男性の精液の中に含まれる精子の量はおよそ1~5億個ともいわれ、これらが一斉にたった一つの卵子を求めて膣内を猛スピードで泳ぎ始める。
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膣内は通常、酸性に保たれている
少しでも優秀な遺伝子を残すため、精子には厳しい試練が用意されている。膣内は雑菌などの繁殖を抑えるため酸性に保たれているのだが、酸に弱い精子はここでほとんどが死滅してしまう。
そして、運よく生き残ったものだけが次の子宮頸管までたどりつき、そこを通って卵子と出会うことになるのだが、卵子と受精できる精子はたった一つなので、ここでもまた厳しい生存争いが繰り広げられるのだ。この時点で、精子の数はわずか10~100個ほどにまで減っている。
やっとの思いで卵子までたどりついた精子たちは、お互いに協力して卵子の膜を破ろうとする。
そして一番最初に膜を破ることのできた精子だけが卵子の中に入り込んで受精が成立し、そのまま卵子の表面を固めて他の精子が入ってこられない状態にするのだ。
受精卵の成長
受精卵は、2分割 → 4分割 → 8分割 → 16分割と細胞分裂をしながら成長し、最終的に桑実胚となって子宮内へと送り込まれる。
この時、子宮の内部は女性ホルモンの働きによってふかふかのベッドのような状態になっており、絨毛にからみつかせるようにして受精卵を着床させる。ここまで来るのに、だいたい5日間ほどだ。
これが、着床までの大まかな流れであるが、途中でなんらかのトラブルがあったり、男女どちらかに不妊の原因となるものがあったりすれば、なかなかこうスムーズにはいかない。
そのようなトラブルが起こらないようにするためには、卵子と精子の質を高めて、良い受精卵を作れるようにする必要性がある。
それにはまず、卵子と精子のエネルギー製造装置でもあるミトコンドリアを活性化させることが、受精卵の成長にとって大変重要になる。
着床期間と着床率
受精卵は、細胞分裂しながら4〜10日かけて子宮に行き着く。そして子宮内膜の準備出来次第、子宮内膜の中へと潜り込み「着床」が完了する。
その期間は排卵時から計算すると、約6〜8日前後だ。
また、子宮内膜に「着床」する確率(着床率)は、一般的に20〜30%ほどだと言われている。
着床率を高める
タイミングが合いせっかく受精しても、着床しなければ妊娠には至らない。
人間はもともと着床率が低いのだが、着床しやすい体質をつくることで着床率を高めることができる。
着床を継続するためには、子宮内膜に十分な厚みがあることが大事である。
この子宮内膜は「黄体」の機能が十分に働いていることが必要であり、この黄体の機能が不十分だと黄体ホルモンの分泌も不十分になり、着床するために必要な子宮内膜が形成されない。
その結果、受精卵が着床しづらくなったり、着床・妊娠しても流産しやすくなる確率が高まる。
では、着床しやすい体質をつくるにはどうすべきか?
身体の冷えや運動不足など生活習慣の見直し、子宮内膜を厚くするアルギニン成分の活用など、夫婦で協力して取り組むことが大切だ。