2024年4月16日(火)  男性不妊

精液検査のすすめ

精子の運動率低下の主な要因

先天的な原因が大半だが、前立腺炎やおたふく風邪による精巣炎、高熱、精索静脈瘤、などが原因で男性不妊を引き起こしているケースもあり、長期間の禁欲も運動率の低下を招く。

また、精子数が少ない・精子の動きが悪い・奇形など、精子に元気がないことが大きな要因にもなっている。

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しかし、精子の数は少なくても、ゼロではないのだからそのうち妊娠するのではないか、と思われている方も多いが、現実にはそれはほとんど期待できない。特に高速で真っすぐ泳ぐ精子の割合が低い場合は、妊娠率も低くなっている。

まずは精液検査

男性不妊は不妊症の約40%を占めているため、精子を調べるための「精液検査」は、極めて重要である。
精液検査でWHOの基準より満たない場合は、最低限自然妊娠できる数値よりも低いことになるため、積極的な治療をする必要がある。

精液検査とは

精子濃度・運動率・形態などを正確に調べる。
精液検査を受ける際、2~7日の禁欲期間が必要になる。禁欲期間が長くなると運動率が低下し奇形率が上昇するためで、検査は医師の指示に従うようにしよう。

■ WHO 精子基準 2010年
精液量           :2.0ml以上
pH値            :7.2以上
精子濃度          :20×100万/ml以上
総精子数          :40×100万以上
運動率(射精後60分以内)  :運動精子数が40%以上、もしくは前進運動精子が32%以上
精子正常形態率       :15%以上
精子生存率         :75%以上
白血球数          :1×100万/ml未満

精液所見による診断

【 診断名 】        【 基準 】
正常精液          全検査項目の基準値を満たすもの
乏精子症          精子濃度が20×100万/ml未満
精子無力症         前進運動精子が50%未満、もしくは前進運動精子が25%未満
奇形精子症         正常形態精子が15%未満
乏精子精子無力奇形精子症  精子濃度、運動率、奇形率の全てが異常
無精子症          精液中に精子が存在しない(遠心分離で確認)
無精液症          精液が射出されない

精子の形態

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精子は、頭部・中方部・尾部から構成されている。図の一番左が正常形態の精子だ。それ以外が「奇形精子」と呼ばれ、頭部が極端に小さい精子や尾部が2本ある精子などがある。

男性の造精機能も加齢によって機能低下する

女性の場合、35歳前後を境に卵巣機能が低下し、成熟卵子を排卵する働きが低下する。これは、男性にも言えることで、45歳前後から精子を作る機能がある「造精機能」が低下すると言われている。

理由としては、30歳あたりから男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が徐々に低くなることが関係している。ただ、男性の場合は女性と違って、分泌量の低下スピードは緩やかである。そのため一般的に、45〜50歳あたりを境に男性も生殖能力が低下する。

精子の運動率を向上させるために

膣内環境の悪化が精子を殺し、妊娠の可能性を下げている

膣液は、膣周辺から分泌される「バルトリン腺液」と「頚管粘液」の2種類で構成されている。
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バルトリン腺液は、膣内を清潔に保つため酸性になっており、自浄と潤滑の役割を果たす。
頚管粘液は弱アルカリ性で若干糸を引く程度のサラッとした液体で、子宮から分泌され精子を子宮口に吸い込む役割を持っている。

また、膣内環境の悪化は、ストレス・加齢・ホルモン異常などによって、バルトリン腺液の酸性度が強くなり、もともと弱アルカリ性の液体の中でしか生きる事が出来ない精子を殺してしまう。

性交後に行うフーナーテストで不良の診断を受ける多くは、この膣内環境の悪化が主な原因である。

精子を殺さない膣内環境への対策

膣内の酸性度を排卵日周辺日だけ弱める為、精子が生存しやすい環境にする潤滑ゼリーなどを使用する事が自然妊娠の可能性を高めるひとつの方法とも言える。

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