2024年11月22日(金) 【不妊症、不妊治療の最新情報】
頚管性不妊?子宮頸管粘液の不調
子宮頸管粘液とは子宮の入り口部分の子宮頸部の分泌腺からでる粘液のことである。一般的に濡れない、濡れにくいというのはこの頸管粘液の分泌量が少ないことをいう。
頸管粘液の量が充分でなかったり、牽糸性がないと精子は子宮まで泳いでいくことができず、子宮腔までたどり着かず妊娠が難しくなり「頚管性不妊症」と診断される方もいる。
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頚管性不妊を調べるための頸管粘液検査とは
頸管粘液検査で頸管粘液が正常かどうか調べることが可能だ。
頸管粘液を採取し、調べるだけの簡単な検査でフーナーテストと同時に行われることが多い。
■ 下記3項目全てに該当すれば「正常」と診断される。
- 頸管粘液の量 0.3ml以上
- 牽糸性 10cm以上
- シダ状結晶 あり
頚管粘液が少ない「濡れにくい」原因と治療
レモンや梅干しを口の前に持ってきたら、ジュワっと唾液が分泌されるのを感じることがあるだろう。
それと同様で、女性は排卵日周辺になると脳からLHホルモンが分泌され、子宮口から頚管粘液が分泌される。同時に性的な興奮によって、膣口周辺から男性器を受け入れる為の潤滑液としてバルトリン腺液が分泌されるのだ。
しかし、妊活となるとなかなか自然な性的興奮や短期間に複数回の性交の繰り返しで、「濡れにくい」体質を作ってしまいがちになる。
また、子宮内膜炎・クラミジア感染歴・過度の冷え対策として水分補給が足りないなどの要因も、頚管粘液量の低下を招くことになり、「頚管性不妊症」につながってしまう。
頚管粘液が少ない「濡れにくい」=妊娠しにくい?
頚管粘液の役割は、精子が活動しやすい「弱アルカリ性環境を作る」「柔らかい粘度(液体の固さ)にする」ことだ。
精子は男性の精巣内で弱アルカリ性の精液内で元気に泳いでいる。しかし、射精され膣内に入ると、粘度の固いバルトリン腺液の酸性内(精子にとっては悪環境)で必死に子宮口を目指し泳いで行く。
子宮口は粘度の柔らかい頚管粘液が分泌されているため、精子は頚管粘液の域に達するとさらに運動率を上げ、卵管を通って卵子へと向かう。
頚管粘液は精子を卵管へ導き、卵子へと進ませる為に必ず必要なものだ。
排卵日タイミングに性交を持ったとしても、頚管粘液が少なく濡れにくい体質は「妊娠への可能性」を大きく低下させてしまう。
妊娠目的の潤滑ゼリーを用いる方が妊娠率を向上させる?
頚管粘液量を増やす為にプレマリンという薬を服用する事がある。
また、排卵誘発剤の投与によってエストロゲン量を人工的に増やし、頚管粘液を増やす方法があるが、両者とも脳ホルモンへのアプローチが必要なため頭痛や吐き気などの副作用を起こす場合もある。
その為薬ではなく、妊娠目的の潤滑ゼリーなどを活用することによって膣内環境を整えることもよい方法だと言える。