2017年1月23日(月)  不妊

不妊症を招く抗精子抗体とは


本来ヒトの体は、自分の体の成分以外の成分(細菌など)をすべて拒絶して身を守っており、これを「免疫」と呼んでいる。
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ただ、女性は例外的に自分の体の成分以外で拒絶せず、受け入れるものに「精子」と「赤ちゃん(胎児)」がある。本来拒絶されないはずの精子が、外敵と見られて攻撃するための抗体を作ってしまうことが「抗精子抗体」なのだ。

この抗体は男性にも見られるケースがある。男性の体内では本来、精子と血液には関門があり、絶対に触れないようになっている。

しかし炎症などの影響で、精子が直接血液と触れてしまうと、抗精子抗体が作られてしまい、自分の精子を自滅させてしまう場合もあるのだ。そのため男性は精液検査で、精子無力症や精子の凝集反応として見つかる場合が多い。

抗精子抗体は、男女ともにごく一部の人にしか認められず、何故できてしまうのかはハッキリと分かっていない。

現在、原因不明不妊症の約13%に見受けられ、不妊女性の約3%に血中精子不動化抗体が存在し、不妊男性にも約3%に射出精子上の精子結合抗体が存在することが確認されている。

抗精子抗体を疑われる基準

原因不明の長期不妊・精子通過障害(フーナーテスト不良・人工授精腑成功例)・一般精液所見・予想不能の受精障害から、抗精子抗体を疑われる。

この抗体は、頚管粘液・子宮腔・卵管内・卵胞液内にも出現し、抗体が精子の尾部の膜に結合すると一部に損傷が起き、それが細胞内のpHや浸透圧に影響を与えてしまい、精子の運動が停止するのではないかと考えられている。

ただ、抗精子抗体は精子の活動(運動率)に障害を与えるだけなので、抗体のない場所で受精した受精卵に対しては、特に悪い影響は与えないそうだ。

また、抗精子抗体は変動するため、抗体値が低い時期には妊娠しやすい条件になる可能性がある。そのため、タイミング法や人工授精で妊娠することがあるのだ。しかしこの変動は予測不可能なうえに、不妊治療の過程においてさらに悪化するケースもある。

抗精子抗体の種類

抗精子抗体には、抗精子凝集抗体と抗精子不動化抗体がある。

・抗精子凝集抗体

精子の頭部と頭部・頭部と尾部・尾部と尾部を結合してしまう抗体がある。大きな精子の凝集塊を作ってしまうため、子宮内への進入が阻害されてしまうのだ。

・抗精子不動化抗体

精子の尾部に反応し、そこに抗体が触れた途端、精子は運動を止めてしまう。運動性のない精子は自力で受精出来なくなってしまうのだ。

抗精子抗体の検査

抗精子抗体の検査は、血液検査で可能なため、検査時期は選ばない。本来はすべての患者さんに検査を行なう必要があるのだが、保険適用外のため自費となり、病院によって費用が異なる。

だいたい4,000〜10,000円前後だろう。このため、フーナーテストが不良の場合にのみ検査するケースが多い。

抗精子抗体検査は、女性の血液を採取し、その血清の中に健康な精子サンプルを入れて様子を観察する「精子不動化試験」が主流だ。

男性の場合は、精子に結合している抗精子抗体を直接イムノビーズテスト(D-IBT:direct immunobeadtest)と呼ばれる方法で行われる。結果次第で、二次検査として受精能を調べるHZA検査(hemizona assay)を行う場合もある。

抗精子抗体の治療法

以前はコンドーム法と言われる、性交時にコンドームを用いて女性が精液に接触させない期間を作り、抗体価を下げるという療法が選択されていた。しかし成績は良くなく、過去の治療方法となっている。そのため、現在は体外受精・顕微授精が有効な治療方法になっている。

日本産婦人科学会のデータでは、抗精子抗体を1ヶ月ごと3回以上測定した際の値が10前後の場合はAIH(人工授精)を選択され、それ以上の値では体外受精・顕微授精を選択するとある。

抗精子抗体が陽性であっても妊娠できないことはないのだ。もともと、妊娠力は備わっているため、抗精子抗体を乗り越えれば妊娠率も高くなる考えられている。実際に体外受精・顕微授精を行った場合、1回目で妊娠される方が多いと言われているのだ。

妊娠しやすい環境づくり

妊娠しやすい時期は、排卵日の「2日前」「前日」「当日」「翌日」となる。
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このタイミングを把握するために、下記の方法とともにタイミングを掴んで行っていく。

基礎体温を付ける

妊娠するにはまず、基礎体温をつけることは必須だ。基礎体温を付けることで、自分の排卵日の予測をたてやすくなる。また、測定結果・体調・性交の有無もグラフに書き込むことで変化も分かりやすくなる。

尿検査・排卵検査薬

尿中の「LHサージの」分泌量を検出し、排卵のタイミングを把握する。「LHサージ」がみられたら、そこから約12〜36時間(ピークからは10〜12時間)以内に排卵が起きる。

妊娠を考慮した潤滑ゼリーの活用

頚管粘液は精子を卵管へ導き、卵子へと進ませる為に必ず必要なものだ。排卵日タイミングに性交を持ったとしても、頚管粘液が少なく濡れにくい体質は妊娠への可能性を大きく低下させる。

特に精子に問題がないのに、原因不明でなかなか妊娠できないカップルの多くが、この頸管粘液と膣内環境が原因だと言われている。

その為、フーナーサポート潤滑ゼリーなどの人工頚管粘液型の潤滑ゼリーを用いることで、膣内環境を弱アルカリ性化して、精子の活動をサポートするため、自然妊娠の確率を上げてくれるのだ。同時に、フーナーテストの結果も期待が持てるはずだ。

ただし、活用する潤滑ゼリーは、精子の活動を妨げない「ph、粘度、浸透圧」が考慮されたものを選ぼう。

妊娠を目的とした潤滑ゼリーの選び方のまとめ

  1. 成分が弱アルカリ性であること
  2. 液体の硬さ(粘度が300以下であること)
  3. 浸透圧が頸管粘液と精液と同等に作られている
  4. 容器の形状

妊娠目的の潤滑ゼリーと一般的な潤滑ゼリーの違い

jelly_01・一般的な潤滑ゼリー
主に「濡れにくい」という女性が使う潤滑ゼリー。
スムーズな性交を求めるカップルがいるが、安価で、性風俗などに利用されるような潤滑ゼリーを使用することは、殺菌成分や防腐剤が多く、また滑りだけに重点が置かれている。
そのため、粘土が硬く、子宮口にフタをしてしまう。
jelly_02・妊娠目的の潤滑ゼリー
妊娠目的の潤滑ゼリーは、人工頸管粘液と同じ成分で再現され、精子を殺す成分は入っていない。
そのため、潤滑の役割を果たしながら精子を膣内で長生きさせ、活発に動き回れるために粘度も柔らかい。さらに、頸管粘液と同じ弱アルカリ性のため、膣内の酸性度を中和させ、吸い込むように子宮口に精子を導いてくれる。
妊娠目的の潤滑ゼリー
ph値 弱アルカリ性 酸性または中性
理由 精液や頸管粘液と同じ弱アルカリ性にすることで精子を元気に長生きさせるためだ。 性風俗などでの使用を目的として製造されていることが多く、抗菌作用が強く精子を弱らせる成分が配合されている。
粘度 柔らかい(粘度300未満) 一般的に硬いものが多い
理由 精子が膣内で自由に泳ぎまわれる為 滑りを目的として製造されている為
浸透圧 精液と頸管粘液の浸透圧の差を無くす浸透圧を採用 記載なし製品が多い
理由 精子が子宮口に入り込むために最も重要な精液と頸管粘液との間に「液体の壁」を無くす為
容器形状 抗菌使い切りスティック ボトル、チューブボトルタイプ
理由 使用時の雑菌の繁殖を抑えるため1回づつの抗菌スティックで無菌状態が保てる為、成分内に保存料や抗菌剤がほとんど必要ない。 開封状態で手などに取って使用するため、雑菌が繁殖しやすいため、抗菌剤や保存料を多く使用する必要があり、結果、精子を殺してしまう。

 

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妊娠目的の潤滑ゼリー

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